詐欺師を紹介されたときのお話

 

実は、「金融庁にいて犯則調査をしていました」という話をすると、いろんな方を紹介していただきます。普段会うことができないような素晴らしい人もいれば、詐欺師もいたりします。

詐欺師を紹介されても、相手が逃げていくことが殆どなのですが、今回は、私から逃げなかった詐欺師のFさんを紹介されたときのお話です。
これも、特定を避けるために、本人が見ても気が付かないようにフィクションとなっていますが…。ちょっと書いてみようかと思います。

私は、Fさんをテレビにも数か月に1度出演するようなちょっとした有名人のGさんから、「大手メガバンクの元役員」ということで、紹介していただいたので、当初信頼していました。

Gさんが新たに取り組もうとする事業のスポンサーということでちょっと、事業を手伝って欲しいとのことでした。

ただ、Fさんと何度かお会いして話をしていると、すごく頭の回転が速く銀行の話にも詳しいのですが、どこか違和感を覚えることがありました。
 私は「直感的におかしいと感じたら、その直感を大事にしなさい」と言われたことを思い出し、その人の発言について裏どり調査をしてみると、裏どりができる証拠がなく、どうやら詐欺師であるかもしれないという可能性がでてきました。

 また、逮捕されたというニュース記事が出てきたので、本人を問い詰めたところ、「逆恨みで誤認逮捕された。」「警察もすぐ誤解であるとわかってくれたので、当日中に釈放されている。」と強弁しました。
 
この手の犯罪の場合、普通は、逮捕をする前には、何回か任意で話を聞いたりしているはずで、また逮捕するには令状が必要となります。

令状を入手するためには疎明資料を準備し、「たぶんやっているだろうな」ぐらいの心証を裁判官が得ているはずなので、滅多に誤認逮捕はないはずですが、
もっとも、起訴されたという記事はどこにも見つからなかったし、経済犯罪でも誤認逮捕になるケースがない話ではないのですが…。

 まあ、そこで縁をスパッと切ればよかったのですが、話は思わぬ方向へ進みました。
疑惑の経歴があることをGさんに伝えたところ、「Fさんがたとえ罪を犯していたとしても罪を償って現に世の中で働いている人を差別するのはよくない。」と言われてしまいました。

詐欺の場合は、他の犯罪と異なり、比較的再犯率が高いため、注意する必要があるのでひとまず注意することにしました。

ただ、ふと、いたずら心をおこし、もし、Fさんが詐欺師だとしたら、「詐欺師に厄除けのお守りを渡したらどうなるのか?」と思い、試したくなりました。
 そこで、とある誰もが知っている神社の厄除けのお守りをお土産に渡そうとして購入しました。
 そうしたところ、なぜか、それ以降、Fさんと会うことができなくなりました。もっとも、その時は私の中で、Fさんがひょっとしたら詐欺師であるかもしれないという前提でいましたので、こちらから連絡を取るようなことはしませんでしたが・・・
そのうち、Fさんを紹介してくれたGさんとも疎遠となり、Fさんについては、そのままになってしまいました。

そして、1年近くたって、風のうわさで「詐欺で逮捕された」との話を聞きました。
 悪戯心で詐欺師にお厄除けのお守りを渡そうとしたのですが、結局渡すことなく、図らずも、そのお守りが自分自身の身を守る結果となりました。
 そのお守りは、現在も手許にあります。

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コメント: 1
  • #1

    名無し (火曜日, 19 4月 2016 13:55)

    私も非常に今、詐欺師に興味を持ってます。
    実際に逮捕されてもおかしくない人ですが(^^)

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